NISA-知らなきゃ損する特定口座の源泉徴収
特定口座を開設する際、源泉徴収をありにするか、無しにするか選択します。
この2つの選択次第では、大きく変わってきます。
どちらにするべきなのでしょう?
源泉徴収無しのメリット・デメリット
サラリーマン(年末調整によって所得税額が確定し、納税も完了している人)の場合年間20万円以下の[給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額]に関しては、所得税の確定申告の必要が有りません
※給与が2000万円を超えるような人や2箇所以上で給与を受け取っている人を除く。
つまり[給与所得・退職所得・株による所得]以外の収入がない場合、株での儲けが20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要で所得税を払わなくていいってことです。<追記 厳密には住民税は申告が必要とのこと>
もちろん、儲けが20万円以上の場合は確定申告が必要で10%(所得税7%、住民税3%)の税金を取られます。なお取引のデータは証券会社から税務署に行くので、20万円以上の利益になった場合は税務署にばれ、確定申告をしないと追徴課税などの処罰をされる可能性があります。
※株での儲けが20万円以下であった場合でも、医療費控除や住宅関係の控除などで確定申告する場合は、特定口座源泉なしの収入も一緒に申告する必要があるので、その場合は所得税も引かれます。
源泉徴収有りのメリット・デメリット
特定口座の源泉徴収有りを選ぶと、その口座内で利益がある場合、利益が出た売却をしたその場で問答無用に10%の税金が引かれます。その場で引かれるのでその10%は投資に回す事はできません。
確定申告するかしないかは、自分の意思で決める事ができます。
確定申告する事のメリット
源泉徴収無しで20万円以上儲けた場合はともかく、なぜ源泉徴収有りなのに確定申告するのか。
それは損が出た場合に確定申告をすると、各口座を通算し、さらにその損失を最大3年間繰り越す事が可能だからです。
例えばA証券で4万円儲けて、B証券で6万円損した場合、源泉徴収有りだとB証券では税金がかかりませんが、A証券では税金4千円引かれます。確定申告をすると、AとB通算で2万円の損失になるので、4千円の税金が戻ってきて、さらに2万円の損失は来年に繰
り越せます。来年もし儲かった場合、その利益と相殺できます。
株で損した場合は、確定申告した方が得です。もちろんわずかな額で有れば、わざわざ税務署に行って手続きする手間の方が面倒でしょうが。
またトータルでプラスでも、A証券で6万円儲けて、B証券で4万円損した場合だと、源泉徴収有りだと6千円とられますが、確定申告すると、トータルの儲けは2万円なので差額の4千円が戻ってきます。
確定申告する事のデメリット
確定申告すると、株での利益も収入の一部として合算されます。その為、国保の負担が増えたり(※社保のサラリーマンには関係ありません)、保育園の料金などが上がったりする可能性も有ります。
まとめ
ここまで書いてきた文章を、読むのがめんどくさいなと感じた人は特定口座の源泉徴収有りにしてください。
国民保険の事とか気にしたくないし、自分が払った税金は国が有意義に使ってくれるさって人にも、特定口座源泉徴収有りがおすすめです。
小額投資なので、年間の利益が20万円以上にはならない人には、特定口座源泉徴収無しがおすすめです。
少しややこしいですね。しかし、これまであげた事は、NISA口座開設時の問題の一部に過ぎません。
やっと口座も作れるし、さぁこれからって思っている方もいるでしょう。
しかし、NISAには知って得するメリットや知らなきゃいけないNISAの落とし穴がいくつもあります。
NISAの落とし穴を幾つかに分けて丁寧、解りやすく教えます。
●nisaの落とし穴
NISAの落とし穴に注意
●nisaの落とし穴(第1回)
NISAのメリット・デメリット
●nisaの落とし穴(第2回)
NISAの口座開設の落とし穴
●nisaの落とし穴(第3回)
NISAの口座開設の落とし穴
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