NISAは損益通算できない
NISAは損益通算できない
損益通算とは?
基本的に、投資を行なっていて利益が出た場合は、口座の種類や金額によって確定申告をして、税金を納めなければならないことがあります。一方、損が出たときは確定申告する必要はないのですが、申告をすることで他の口座と合算(通算)して全体の利益を減らし、結果的に納める税金を少なくすることができます。これが「損益通算」です。つまり、口座間での「損」と「利益」を「通算」して節税につなげられる、ということです。
損益通算は、同一証券会社の損益は自動で計算してくれます。
ただし、他社間の損益は自分で算出する必要があります。証券会社が年間報告書を出してくれますので、それを元にがんばって確定申告しましょう。
NISAでは損益通算できないとは?
NISA(日本版ISA、少額投資非課税制度)では損益通算不可、と発表されています。
実際のところ、損益通算ができないのはNISAだけではありません。NISAではなくても、例えば税率の違う資産どうしは損益通算ができないなどの例外があるのです。
ではどうしてNISAは損益通算不可とされたのか?
平成25年5月13日改訂の「NISA(少額投資非課税制度)に関するQ&A」(日本証券業協会)に以下のような受け答えがあります。
■Q19 NISA口座で保有する上場株式に売買損失が生じた場合、この売買損失は、特定口座や一般口座で保有する他の上場株式等の配当金や売買益等と損益通算ができますか?
NISA口座では、上場株式や株式投資信託等の配当金や売買益等は非課税となる一方で、これらの売買損失はないものとされます。したがって、特定口座や一般口座で保有する他の上場株式等の配当金や売買益等との損益通算はできません。
つまり、非課税を享受できる代わりに損益通算までの恩恵は受けられないということです。
NISAの元になった英国のISAでも損益通算は不可となっており、そこからきているとも考えられます。
損益通算不可、まで考慮した商品選び
損益通算ができない、ということは、損益通算を加味するならハイリスクな資産はNISAに入れるべきではないということになります。ハイリスクと言われる資産運用も行なっている人の中には、損益通算を視野に入れて運用している方も多いでしょう。しかしNISA口座にそのような資産を入れると、運用している資産に損が出ても損益通算ができず、かえって多くの税金を払わなければならなくて損してしまう可能性が高いということになるからです。
そのような点から言っても、為替リスクのある株などは儲ける見込みが充分になければおすすめはできず、まずはローリスクの投資信託がおすすめです。
現在すでに投資を行なっている人は、ご自分の資産の中で運用効率の高いものはどれか、一方で損益通算不可のハンデをどこまで抑えられるか十分に検討なさってください。
またこれから投資をはじめようかと検討中の人は、最初は考慮しなければならない箇所ができるだけ少ないほうが良いと思われるので、できるだけ運用効率の高そうな(要は、利益は少なくてもリスクなく儲けられそうな)商品を、情報収集して見極めてくださいね。
まだあるNISAの落とし穴↓
●nisaの落とし穴
NISAのメリット・デメリット
●NISAのデメリットとは?
NISAのデメリット
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